問題が生じていない時の経験に焦点を絞る
解決志向ブリーフセラピー
問題を解決し、目標に到達するための3大原則があります。
1.うまくいっていることを、そのまま続ける
2.うまくいっていないことは止めて、別の
行動を起こす
3.うまくいくまで、いろいろな行動を試す
私たちの悩みはしばしば、「自分のやりたいこと、目標が定まっていない」ことに起因しています。つまり、知らない道で迷子になっているのです。
実際の迷子は"親を探す"という目標を持っていますから、親に会えた瞬間に問題は解決します。
しかし、目的地が分かっていない迷子は、どこにたどり着いても誰に会っても満足することはありません。彼には、どうしたら自分が満足できるのか、その目的がわかっていないからです。
ですから、セラピーにおいても、こうなったら自分が良くなったと感じられる、という目標設定が大切になります。
目標を設定しないと、セラピーの効果に気づくことができず、目的地に到達できたのに気がつかず、いつまでも道をさ迷い歩くことになります。
解決志向ブリーフセラピーは、あなたに問題が起こった時ではなく、「問題が生じていない時の経験」に焦点を絞ります。
問題の原因を分析するのではなく、「どういう時に問題が起こらなかったのか、うまくいったのか」を明らかにします。
そして、問題が起きていないときにしていることをしてみるのです。
たとえば、野球選手はスランプに陥ったとき、いいバッティングができていたときのフォームと現在のフォームを比べて、その差異を見つけ出し、いいバティングのフォームに戻そうとします。心の問題でも同じことをすればいいのです。
解決志向ブリーフセラピーは、天才催眠療法家ミルトン・エリクソンの心理療法を出発点にしています。彼は催眠を用いて、クライアントに自分に能力のあることを思い出させました。
また、もし寝ている間に奇跡が起きて問題がすべて解決したとしたら、どんなことで奇跡が起きたことに気がつくか、問題が解決したとしたらどのような生活をしているかをイメージさせ、それを催眠で経験させました。
クライアント自身が持っているリソース(経験、能力、性格、価値観など)を利用して、問題を解決していくことが、問題解決の一番の早道です。
今すでに持っている自分の能力を使えばよいので、これから何かを学んだり訓練する必要がないのですから。