安全に子どもを面接させる
両親それぞれの家庭間の「子どもの移動(面接交渉)」は安全に実施されなければなりません。
怒りを込めた言葉を聞かせてはならないし、どちらかの親が、子どもが他方の親と共に過ごすことに憤慨していたとしても、それを子どもに気づかせてはなりません。
移動は様々な形で子どもにとって害を与えることがあります。例えば・・・
1、子どもが出発する直前に親が怒っていたり気が動転していていたりするところを子どもに見せたり、
2、他方の親との面会の前または後に着替えをさせたり、
3、面会に際しおもちゃやその他の子ども特有の持ち物を持っていくことを禁じたりすることです。
このような行動を親が繰り返すことは子どもにとって非常に有害です。
子供に伝えなければならないこと
移動を円滑に実施する方法の一つは、子どもが他方の親と会うことに安心感を持つように促すことです。子どもは、「両親それぞれがどこに住んでいるのか」知らされなければなりません。
また、子どもは「両親がどんな仕事、活動、趣味をしているのか」ということを知らされなければなりません。
また、「子どもといないときも親が幸せに忙しく暮らしている」ということを子どもに伝えなければなりません。
子供は親をかばう
一方の親が、子どもが他方の親と会ったり共に過ごしたりすることを喜ばしく思っていないことを子どもが悟ると、子どもは親をかばったりなだめたりしようとします。
子どもはその親が聞きたがったり気分がよくなったりするようなことを言おうとします。しまいには「もう一方の親とは会いたくない」とまで言って親をなだめようとします。
子供の本当の気持ちを理解して!
このようなことは多くの問題を引き起こします。まずこのような事態を招く親は、子どもの言うことをそのまま信用し、他方の親に子どもの言ったことを報告することがあります。
そしてその親は「子どもが望むことをしているのだ」と考え面会を制限し、その結果親子の面会が妨害されます。
そして両親は子どもについて相反する意見を言い合い口論となります。非常に重大な虐待や暴力がない限り、「子どもはもう一方の親とどうしても会いたい!」と思っているということを常に頭にいれておかなければなりません。
問題なのは大人です
研究によれば、移動に際し子どもが一方の親に会いたくないと拒絶を示したり、騒いで嫌がったりする場合、その問題を作っているのは通常大人であるということが明らかにされています。
子どもが親から「もう一方の親と一緒にいることが嬉しいと思って欲しくない・・・」というメッセージを感じ取ると、子どもの心は引き裂かれ、忠誠心が真っ二つに分裂してしまうような感じになります。
子どもが親から「私を愛しているのなら、お父さん(お母さん)を愛してはいけない」というメッセージを感じ取ると、子どもは「もう一方の親を愛すると見捨てられるのではないか?」という恐怖を感じる可能性があります。
このような強い恐怖を植え付けることにより、子どもは不安定になり学校生活や友人関係において困難を生じやすくなります。
面接交渉の方法
子供との面接交渉が問題となる場合は、それに対する対応法を子育てプランの中で決めておいた方が良いでしょう。よく採用される方法の一つは、学校で子どもの受け渡しをすることです。
これにより家庭から家庭への直接の移動よりも影響が緩和されます。子どもにとって学校はもう一方の親のところへ行くことができる数少ない安全な場所です。
他の方法としては「旧知の協力的な親戚や友だちのところを中継して子どもを移動させる」とか、「専門家に立ち会ってもらう」という方法があります。