行動によって考え方を変える!
行動療法
行動療法とは、学習によって態度変容・治療実効をあげようというものです。これだけでは抽象的過ぎてわかりづらですね。それでは具体例をもとに、他の技法との比較でご説明しましょう。
来談者中心療法の場合
例えば、高所恐怖症の人に対して、来談者中心療法では、「高いところが怖い」というクライエントの訴えをどこまでも理解しようと努めます。
すっかり理解されたクライエントは、「そうかぁ、高い所が怖いと訴える私は、別に変でも何でもないんだ」と安心します。
精神分析の場合
精神分析では、「何故、私は、高い所がこんなに怖いんだろう」と本人に洞察させるようにします。多くは、過去の出来事を思い出させ、それをカウンセラーが分析するという方法を取ります。
行動療法の場合
これに対し行動療法では「本人を徐々に高い所へ連れて行き、慣れさせる」というように、「それほど怖くないということを実際に体験させる」という試みを取ります。
療法を使い分け・併用する
療法によって、取り組み方がこれほどまでに違うということですが、どの療法が優れているというわけではなく、カウンセラーは、本人の回復能力に合わせて、療法を臨機応変に使い分ける必要があります。
「療法を使い分ける」と書きましたが、実際には、厳密に使い分けることはなく、どの療法も併用しながらカウンセリングを進めていくというのが、カウンセラーの腕の見せ所とも言えます。