鬱の人特有の思考パターン
鬱状態の人には特有の思考パターンがあります。「鬱状態の人の良くない思考パターン」と言えばわかりやすいかもしれませんね。
認知行動療法ではこの鬱状態の人の思考パターンを「認知の歪み」と言い、この歪みを理解し、行動によって修正していくのが認知行動療法です。
それではどんな思考が「認知の歪み」なのか、具体的に見ていきましょう。
1、全か無か思考
ものごとを極端に、白か黒かに分けて考えようとする傾向のこと。少しのミスで完全な失敗と考えてしまう。
2、一般化のしすぎ
たった一つの良くない出来事があると、それが何度も何度も繰り返し起こるように感じてしまうこと。
3、心のフィルター
わずかに良くない出来事にこだわって、そればかりを考えてしまい、その他の良い出来事は無視してしまう傾向。
4、マイナス化思考
良い出来事を無視、あるいは悪い出来事にすり替えてしまう。
5、結論の飛躍
根拠もないのに悲観的な結論を出してしまう。
?J.心の読み過ぎ:相手の感情を早合点し思い込んでしまう。
?K.先読みの誤り:「事態は悪くなる」と決めつける。
6、拡大解釈と過小評価
自分の失敗を過大に考え、長所を過小評価する。逆に他人の成功を過大評価し、他人の欠点は見逃す。
7、感情的決めつけ
「こう感じるんだから、それは本当のことだ」というように、自分の感情を、真実を証明する証拠のように考えてしまうこと。
8、「すべき」思考
「〜すべき」、「〜すべきでない」と考えてしまうこと。これができないと自己嫌悪や罪の意識を持ちやすい。また、他人に向ける怒りや葛藤を感じやすい。
9、レッテル貼り
極端な形の「一般化のしすぎ」とも言える。一つのミスをしたことで完全にネガティブな自己イメージを創作してしまうこと。
10、個人化
良くない出来事を、自分に責任がないような場合でも自分のせいにしてしまう。
※引用・参考文献
坂野雄二 『認知行動療法』 1995 日本評論社