ものの見方、考え方を変えていく!
認知行動療法
認知行動療法とは「出来事に対するクライエント(相談者)の否定的な考え方」に焦点を当て、そう言った認知(ものの見方、考え方)を再検討し、変えていくことを主眼とする行動療法のことを言います。
認知行動療法は、ベックの認知療法、マイケンバウムのストレス免疫訓練、エリスの合理情動行動療法など、それぞれ別個に提唱され発展してきたこのような新しい行動療法の総称です。
先に述べた否定的な考え方は、「自動的思考」「スキーマ」、「不合理な信念」などと呼ばれています。
この療法における介入の方法は、大きく分けて、認知的技法、情動的技法、行動的技法があり、これらの技法を総合的に用いて、治療パッケージを形成して治療が進められるのも認知行動療法の特徴です。

認知の3要素
認知行動療法で直していこうとする「認知」とは、次のような「否定的な見方、考え方」のことを言います。
1、自己に対する否定的な見方
例、過度の自責感・罪悪感
2、自己を取り巻く世界に対する否定的な見方
例、ペシミズム(厭世観・厭世主義・悲観論)
3、将来に対する否定的な見方
例、絶望感
認知療法のキーワード
「自動的思考」
ある場面に直面した時「自動的」に頭の中に思い浮かんでくる考えのこと。
これは場面特有のものであり、日常生活の中で出くわす問題となる場面の数だけ多様な自動的思考があるといえます。
「背景にある思い込み」
多様な自動的思考に対して、場面を越えて共通して認められる考え方で、「〜すべきである」、「〜しなければならない」と表現される思考内容のこと。
「スキーマ」
個人の中にある、かなり一貫した知覚・認知の構えのこと。多様な自動的思考に共通してみられる思考内容で、背景にある思い込みの背後にあるのがスキーマです。