私の離婚体験記(その3)
養育費と面接交流権の放棄
いい加減な離婚の実体
両親が離婚した当時、私は小学4年生。法律のことなど何も知りません。離婚する際に、一体何を決めておくべきか、などということは頭の片隅にもありませんでした。しかし、離婚を専門に取扱う行政書士となった今では、あまりにいい加減な離婚の現実が見えすぎてしまい、残念でなりません。
母は「養育費は要らないから二度と子どもに会いに来ないで!」と父に迫りました。おかしいですよね。養育費も面接交流権(面接交渉権)も子どもの権利です。親が勝手に放棄できるものではありません。皆さんはお分かりでしょうか。母は、前夫と会わなくてすむ代償として養育費を充てているのです。面接交流権(面接交渉権)の放棄を迫っているのです。
法律は「法律を知っている者」を保護する
私も離婚について学んでくると、なんとこれと同じ事例が多いかに驚かされました。離婚した母親の多くは、離婚を機に前夫との関係を全て断ち切りたいという思いから、養育費と面接交流権(面接交渉権)を交換条件のように相殺しようします。養育費請求権や面接交流権(面接交渉権)は子どもの権利なので、これを両親が勝手に放棄したとしても法律上「無効」です。
しかし、法律は基本的に「法律を知っている人」を保護するものなので、現実的には誰もそんな無効な約束を正してはくれません。そう、誰も子どもの権利を守ってはくれないのです。私は養育費・面接交流権(面接交渉権)という子どもの権利を何とか制度的に守れないものだろうかと考えずにはいられません。それまではコツコツと「離婚協議書」という形で、養育費・面接交流権(面接交渉権)という子どもの権利を守っていくしかないのでしょうか・・・。